平成20年08月29日
質疑応答事例(消費税)の更新(残存リース料)
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係る残存リース料の取扱い
<照会要旨>
所有権移転外ファイナンス・リース取引について、契約期間終了前における特定の場合にリース契約を解約した場合、賃借人が賃貸人に支払うこととなる残存リース料は、消費税法においてどのように取り扱われるか。
<回答要旨>
1.賃借人の取扱い
(1)賃借人の倒産、リース料の支払遅延等の契約違反時
残存リース料の支払は課税仕入れに該当しない。また、賃借人がリース物件を返還し、残存リース料が減額された場合、返還時に資産の譲渡となる。
(2)リース物件の滅失・毀損による修復不能時
残存リース料の支払は課税仕入れに該当しない。また、リース物件が修復不能となったことを起因として賃貸人に保険金が支払われることにより、残存リース料が減額された場合、仕入れに係る対価の返還等となる。
(3)リース物件の陳腐化のための借換えなどにより、賃貸人と賃借人との合意に基づく解約時
残存リース料の支払は課税仕入れに該当しない。また、賃貸人と賃借人との合意に基づき、残存リース料が減額された場合、仕入れに係る対価の返還等となる。
2.賃貸人の取扱い
(1)賃借人の倒産、リース料の支払遅延等の契約違反時
延払基準を適用していたリース取引について中途解約により延払基準の方法により経理をしなかった決算に係る事業年度終了の日の属する課税期間又はリース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例を適用していたリース譲渡に係る契約解除等を行った事業年度終了の日の属する課税期間に残存リース料を対価とする資産の譲渡等を行ったものとされ、消費税が課される。また、リース物件の返還に基づく賃貸人による減額分は、返還時に資産の譲受けの対価となる。
(2)リース物件の滅失・毀損による修復不能時
解除等の日の属する課税期間に残存リース料を対価とする資産の譲渡等を行ったものとされ、消費税が課される。また、修復不能を起因として賃貸人に保険金が支払われることにより、残存リース料を減額した場合、売上げに係る対価の返還等となる。
(3)リース物件の陳腐化のための借換えなどにより、賃貸人と賃借人との合意に基づく解約時
解除等の日の属する課税期間に残存リース料に対して消費税が課される。また、賃貸人と賃借人との間の合意に基づき残存リース料が減額された場合、売上げに係る対価の返還等となる。
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