導入篇
   パッケージソフトって本当に得?
パッケージメリットの大原則
アウトソーシングは除いて、自社でなんらかの業務をシステム化しようとするとき、外注開発か、あるいは自社開発か、またはパッケージ製品か、という選択になりますが、それぞれのメリットを要約すると以下のようになります。デメリットはそれぞれ裏腹ですからここでは省略します。
【外注開発・自社開発メリット】
@信頼する依頼先に委託することで大きな失敗がないことが期待できる
A業務要件に合わせたシステム開発が容易
B外部に対して社内情報が秘匿できる
Cクレームが出しやすい
D業界に先駆けることが出来る
【パッケージ製品採用のメリット】
@開発リスクがない
A要件の実現性を事前に確認できる
B流用販売、量販による有利コストで導入できる
C経験則を共有できる
D法改正等バージョンアップが期待できる
パッケージ導入で一番注目されるメリットは、@の「開発リスクが少ない」ことが上げられます。開発リスクとは、ユーザー要件が開発者に伝わって仕様となり、言語化されてシステムが構築され、テストして検証される・・・というこの一連の開発ワークフローに潜む大きな危険性を言います。システムの不具合が社会問題になることも時折り報道されるとおり、専門家が大挙しても起こり得る障害を防ぐことができない場合もあるのです。パッケージ製品の場合はすでにシステム構築が完成している訳ですので、そのリスクがないということです。額面どおり見ればそれは事実です。
   何故こんなに違う費用の差?
同じ製品を導入してもこんなに違う費用の差
同じ製品を導入したとしても、データ量1,000件でスタンダロンベースの導入費用と、50,000万件で20拠点運用のネットワークシステムの導入費用とで、例えば50万円から2,000万円の開きが生じます。これはベンダーに支払うベースの費用の違いです。間接費用の違いはもっと広がります。
その場合製品のライセンス料金自体の差額はというと、約30万と約300万の違いです。何故こんなに差が開くのでしょうか。
もちろん、この差は正統な理由によって生じる差なのですが、使用される製品プログラムが同じにもかかわらず何故、このような差が生じるのでしょうか。これはライセンスそのものの価格より導入に関係する諸費用の問題なのです。

   プロなら解る3つの予算規模判定ポイント
プロが判断する3つの予算規模判定ポイントを以下に紹介します。
プロは、まずデータ量で第1判断をします。
データ量が多いことは、すべての面で導入工数が増大します。
データ量が多いということは、資産の残高が少なくないことを意味し、会社の扱いの優先度が高いことが上げられます。データを格納する箱も当然大きくなければなりませんし、データが通過するパイプも広くなければなりません。それらの箱やパイプが他の業務システムとかち合う場合の障害も対策しなければなりません。運用上の取扱いルールの改定や、組織的コンセンサスなどを行う工数が増大しますので、データ量の増大は幾何級数的に予算の増大につながることになります。
また、選定するパッケージですが、大量データを処理することを前提に構築されたシステムを選定することが大切になってきます。それに応ずる製品となると市場においては限られてしまいます。
『シサンM7』『リースM4BS』の場合は、パソコンの性能に左右されますが、残念ながら大量データ処理能力が優れている、とは言い切れません。
”操作性がいい、解りやすい、あれもこれも見ることができる”という便利機能は、反面、高速処理性能には劣るという背反律をもっているのです。
5万件を越すか越さないか?が一つの目安でしょう。
概ね5万件以上の場合は、一つの処理で数時間も要し、実務運用に支障をきたす場合がありえます。その場合は専用チューニングを行い、目的に応じた個所の処理性能の改善を行うカスタマイズ費用が必要になります。前述の通り、その部分の操作性、機能性のスペックダウンとの見合いになることが考えられます。
資産残高数百億円を数千件のデータで、しかもたった一人で管理している、などの高効率が理想的です。ILTEX製品のユーザーには、4万件近い物件データをたった一人のスタンダロンシステムで管理している企業もあります。そこにはいろいろな工夫やアイディアが奏効しています。ご相談ください。

関係する組織の要件で第2判断をします。
日常のデータメンテナンスを、各拠点に分散させる運用が条件の場合は、それに適した仕組みをはじめから標準機能として有するパッケージが求められますが、特に全社的組織運用に特化した資産管理パッケージは、これもそれほど多くはありませんので、勢い安価なものはありません。
利用組織が広がれば広がるだけ、各拠点の個別要件が多くなり、調整作業が増大します。
また、各拠点の個別要件を抑えてしまえば、分散入力のコラボレーションが机上の空論となり、いずれ正しいデータ運用ができずに、システム全体が形骸化する危険性もあります。ただシステム的にネットワーク利用が出来るというだけのシステムでは実際の問題解決にならないのです。組織運用の導入ノウハウこそが解決のカギになります。
これらの諸問題を一つ一つ抑えながら全体導入を図りますので、予算は当然アップします。
また、パッケージの標準機能に業務をあわせるために、従来慣行の抜本改善などを行うことができるなら話は別ですが、結局は何らかの専用カスタマイズが入ることになってしまうでしょう。
それからインフラですが、クライアントサーバー型や、Web型のシステムになりますので、ネットワークが整備されていることが前提です。仮にそのネットワーク性能が良くなければそこにもまた費用が増大する問題が潜みます。ネットワーク性能の良し悪しは、データ量にも左右されるのです。
そして新たに導入するサーバーや必須ソフトウェアの費用も必要です。これらのソフトウェアには継続保守料が必要なものもあります。
また、既存のネットワークセキュリティの仕組みがある場合は、導入したパッケージをそれに組み込まなければなりません。この辺りにも大きな費用がかかります。
関係会社を含める関係組織要請が重要である場合は、導入担当者の責任が小さくありません。従って導入に関する諸問題解決や合意事項取り決めなどの経緯をしっかり残すことが要求されますので、レビュー、調査、報告、確認などの管理費用が相当額に上ることが一般的です。ライセンスの料金などあっという間に越えてしまうのです。

第3に専用の要件を見る
旧来から自社開発やカスタマイズで、独自要件を運用されてきたユーザーの多くは、その同等機能の継承を強く要請する場合があります。ベンダーとしてもカスタマイズにて対応するわけですが、そういう場合は、カスタマイズが得意な製品かどうかによって、その予算の大小に相当の開きが生じます。
汎用的なERPの資産管理モジュールを、契約インテグレーターにカスタマイズ依頼するような場合は、外注開発と変わらない人月工数が必要となると考えたほうがいいでしょう。
ILTEX製品は少工数カスタマイズで評価を頂いておりますが、得意なテーマを外れると、とたんに何倍もの見積が出たりします。((特に日本語の文章を書かされる仕事はプログラムの倍の御見積となる技術者がおりますので予めご容赦ください。))
ユーザー様と折衝を開始する時点でプロにはすでに概ねのカスタマイズ規模が解ってしまいます。どうしても見積が膨らんでしまうユーザーとは、些細なことでも既存機能の継承ができるかどうかを頑なにその回答を要求してくるユーザーです。最初から「代替機能があれば代替機能でもいい」とうい柔軟な姿勢のあるユーザーなら比較的に低い予算ですんなり導入できるケースが多いのです。勿論頑ななユーザーの名誉のために言えば、決してこれは悪評ではなく、組織上の役割によるものですから、致し方の無いことなのです。

あなたの会社はいずれのタイプでしょうか。

   パッケージ導入を成功させる秘訣は?
ILTEXの貴重な導入経験から、以下に成功の6つの条件をまとめてみました。
参考にしてください。本邦初公開です。
第1章 パッケージの標準機能に委ねる姿勢が基本
パッケージ導入を成功させる正しい姿勢とは?
”世に例の無い”システム戦略を先駆けて構築するような場合、当然パッケージは存在しませんので、開発に頼る以外にありません。パッケージを採用するということは、”予に例のある”ものを流用するということに他なりません。企業内の業務改善を実施することは同じでも、”新規性、先駆性、独自性を問わない”、という大前提を明確にしておくことが大切です。
もちろん、パッケージの採用であっても、その標準機能の100%が流用できず、独自機能をアドオンするなどのカスタマイズも一般的ではありますが、初めから”独自要件”が前提条件になっていて、ただ単に開発コストを下げるためだけにパッケージを利用する、という姿勢は概ね失敗の元といわざるを得ません。
ILTEXの導入時例においては、開発途中で頓挫したりトラブルになった失敗事例はありませんが、白状しますと、もう少し予算が節約できたのではないかと思われるユーザー様はいらっしゃいました。代用機能やそれに近い標準機能には目もくれず、自社仕様の実現をひたすらご要求されるユーザー様でした。組織上の役割りですのでもちろん仕方の無いことなんですが、少々の違いはある代用機能を用いることのコンセンサスをもう一度社内に持ち帰って検討さえして頂ければ、おそらく不要だったと思われるカスタマイズを見積ったことがございました。
従ってまず第一に、パッケージの基本コンセプトが自社の業務要件にあっているか、標準機能が使えるのかを検討する作業が必要であり、パッケージ製品を採用するメリットとの見返りになるハードル的工数と言えます。基本コンセプトとは、「どのような規模の会社を想定し、どの部門でどのような業務に対応することを想定しているか」という基本設計思想のことです。長いこと営業していても、案外とこのことは聞かれないものです。(人目でわかる方は別です)

第2章 安定した製品を選ぶこと
実績のあるパッケージを選別すること
パッケージ製品は、運用事例が増えれば増えるほど業務対応能力の成熟度を増していくものですから、パッケージ製品だからと言って、実績のないものや、規模の大きなものはその開発ワークフローに潜む大きな危険性が解消されているとは言えないケースがありますので注意が必要です。
第1章でも述べたように”新規性、先駆性、独自性”を問わない姿勢が必要であり、実績数があり熟成した安定した製品がベストです。”新発売”はこの際、飛びつく条件ではありません。(そう言いながらILTEX製品も、”かつてない”とか”新登場”とか、逆のことを結構言ってました。リリース当時のユーザー様には筆舌に替えがたいお世話になっております。この場を借りて感謝申し上げます)
雑誌のトピック扱いで喧伝される最先端アーキテクチャーは話題にはなりますが、実際導入するとなると当然パッケージメリットはないと考えたほうがいいでしょう。雑誌に登場してから下火になって、10年経って、それでも生きているアーキテクチャーならば導入してもいいでしょう。もちろんこれはアーキテクチャーの話で製品の話ではありませんが、「10年目で導入してからさらに5年6年使用するんじゃ陳腐化じゃないの?」との声もありますが、いいえ、これが一般的なんです。
開発規模の大きなシステムはパッケージメリットが少ない
大きな規模の導入時例が一つだけあるような製品(パッケージとは言い難い)などの場合、この開発ワークフローの危険性が回避されているとは言えないのです。
規模が大きいシステムになればなるほど、その業務要件も多岐にわたり、全編に亘って、既存機能をそのまま流用するなどという理想が実現できないからです。
規模が大きいシステムを導入する場合は、仮に実績があったとしても、パッケージ導入のメリットの多くを期待しないことが寧ろ安全策となるでしょう。大規模開発の目安は15人月〜20人月以上と考えていいでしょう。概ねその開発期間に1年相当を要する開発工程となるケースが該当します。その開発に1年相当を要するということは、パッケージがあろうがなかろうが、開発ワークフローに伝達障害が起きる可能性が高いということで、それを回避するために別の管理工数が発生してしまうのです。外注開発と考えたほうがいいでしょう。

第3章 適正な予算の組み方
導入要件と予算のバランス
第一に、何をどのくらい達成するために導入するのか、第二に何を・・・というように、達成目標がはっきりしていて、かつそれを実現するための内定予算規模が概ね適正であることが理想です。
要件が深くて、予算が少ないというケースによく失敗事例が見受けられます。インテグレーターの過度の営業努力のために、受注はしたものの、蓋を開けてみればスペック未達成というケースがまま見受けられます。そしてこのツケは、ユーザー自信に降りかかることになります。何故ならば最初からそこには機能が存在しており、それを承知で購入した責任が問われるからです。実際はインテグレーターの営業やSEの説明によって認知するわけですが、「うちの要件にあっているか?」という質問には彼らも答えられないのが普通です。最終判断はユーザーが下さなければならないのです。
適正予算の見分け方
しかし、この適正予算、というのが最も難しいものです。何に比べて適正か、ということになります。「今期の残り予算はこれだけだから・・・」というのも理由の一つ???うまくいけば儲けものです。
過去の事例・・・これも当てになりません、10年二昔とも言う今日、過去の事例は習うものではなく、改めるものです。
「あなたの会社の信頼できる依頼先」が見積もった料金ならまず間違いないでしょう。できれば数箇所の依頼先から回答を寄せることです。これを怠らないことは先行きに大きな違いを生じるでしょう。
そしてその回答額にそこそこ近い料金の製品が見つかれば、それが適正予算となるでしょう。”そこそこ”が大切です。大幅に有利な製品を求める、などの行過ぎた探索行為は得策ではありませんし、好機を逸します。100円均一の雑貨ではありません、少なからず技能を有するプロの手を経る製品なのですから・・・(ベンダー側の我田引水ではない積もりです)。安いなら安いで、何故安いのかをきちんと確かめてください。
類似した事例会社の予算を聞く
御社と同じ業態の同じような規模の企業の導入事例があればその予算を知ることも一法です。カスタマイズがない事例があればベストです。そして
案件の重要度を知る
次に大切なことは、その予算があなたの組織内でどのくらいの重要案件であるかということです。あなたの組織の大切な予算を割くのですから、組織における重要度が判定されているでしょう。そしてその重要度、使用可能年数の見積などによって本来選択すべき製品は絞られるものなのです。市場には沢山のパッケージ製品が出回っていますが、会社における重要度までは意識して作られていないでしょう。中には「われこそ、日本一の・・・」というすごい製品もあります。給与システムより資産管理システムに掛けた費用のほうが大きかった、などという笑えない取り違えは防ぎましょう。重要なら重要なだけ失敗回避の対策などに十分の工数と費用を見積らなければなりません。それが逆ならばそんな費用は見積もってはならないのです。

第4章 パッケージ機能を調査する
要件比較表を作成するご担当がいますか?
パッケージの標準機能がどこまでできて、何ができないか、を調査することが大切です。パッケージを購入するということは、要件→設計→開発→テストを全部端折るわけですから、要件→テストを行うわけです。ただし、事前に十分な機能テストができるケースは少ないでしょう(ILTEX製品ならば本番ライセンスに本番データを入れて評価できるうれしいサービスがありますが)。従って、要件比較表を作成して、ベンダーなりインテグレーターなりに回答させる作業になります。
これを担当するナイスマンがいればベストですが、要件比較表が細かくなりすぎないように注意してください。この時こそ導入の達成目標をしっかり見据えて、重要なものだけをアイテムとして列記するよう心がけてください。要件比較表が細かくなりすぎると、実際の調査回答にベンダーの工数が増大しますし、皆さんも検討工数が増大します。ベンダーは言われたことをやるだけでしょうが、費用や時間がかかってしまうのです。これが全く無駄な事であり、失敗の原因にもなります。
導入関係者が皆お歴々だけの場合は、ベンダーを前にして、「あれはできるかね、これはできるかね」で結構です。もちろん標準機能で、という前提つきで質問してください。

第5章 経験豊富なインテグレーターに依頼する
少予算を実現するスピード工程
経験豊富なインテグレーターなら、どの程度の要件のユーザーにはどの程度の工数で対応すればどの程度の品質が提供でき、どのくらいの利益があがる、かが解ります。ユーザーは寧ろそのスピード感覚に合わせて一緒に行動することが肝心です。最初に予想工程を要求してその説明を受けてください。工程に無理があれば必ずその段階で解るものです。
このスピード感覚こそが、少工数、少予算を実現し、導入効果も、優先順の1,2,3を確実に捕らえる結果となるのです。
直接インテグレーターに提案させる
パッケージ製品導入のメリットは、本来の開発ワークフローのどの部分が端折れるか、にかかっているのですから。例えば、要件定義ですが、マスタをどう運用したいかを通常レビューして分析しご提案しますが、豊富な経験のあるプロならば企業規模、営業形態、経理方針、ご担当者の意向などを見て概ね推測がつきます。現状分析などは端折って、直接提案を見たほうが、適否の回答が早い訳です。
またプロなら少々の初期レビューによって概算が見えますし、導入計画が立つものです。どの要件にはどの機能が適合し、どの業務にはどの機能が適合する、と言うようにユーザーが聞かないうちから要件比較表が頭の中に出来ているものです。頼めば、即座に操作や機能を示して要件比較表を作成してくれるでしょう。それができないコンサルタントならば費用と期間ががかかってしまうことを覚悟しなければなりません。

第6章 将来性の検討
使用可能年数の見積
何年使用できれば、導入効果が達成されるかを予め見極めます。初期投資と年間継続費用を計算して、その使用可能年数における収支を総合比較して損得を判断します。
しかしながら概ねこれは”見積”によるところ大です。ILTEXの場合など、会社が小さいことから将来の計算が成り立たない、とおっしゃる向きもあります。ごもっともです。いいえ、そうでなくとも将来の約束などは誰にも出来ないのです。いっちゃなんですが、大企業ほど、その部門の採算が取れなければご存知のとおりあっという間に撤退するじゃないですか。ベンダーの大中小を問わず、当面の製品を何年使用すれば元が取れるか、という計算に如くものはありません。短期間の回収計画が一番安全です。ですからILTX製品は低価格に抑えているのです。涙、涙

   データ移行の準備は?
データ移行は大切な作業です。
現状のシステムで現に運用されているデータ、あるいはエクセル等の手作業で管理しているデータ、いずれにしても継続して会計処理され、申告されてきた何らかのデータがあるはずです。これを改めて手入力することなく、半ば機械的に新しいシステムにコンバートするのがデータ移行作業です。件数が極めて少なくて、従来のデータに信頼性が少ないなどの理由で最初から手入力するという方法が有効なケースもありますが、通常は既存データをコンバートする作業によって導入初期データを作成します。
既存のデータは歴史を経て積上げられた財産ですから、いくら不可思議な状態であたとしても、そこにはなんらかの理由や意味合いを含んでいるはずです。システムの入替えによって移行できないで捨てられる項目や記載内容があったりしますが、慎重に判断されるべきでしょう。一応はなんらかの代替項目に移行することを検討すべきです。
既存システムからデータを取り出すことができますか?
システムが古く、既存システムからデータを取り出すことができないケースもあります。データが取り出せなければデータ移行作業は始まりません。また取り出したデータに必須項目が不足な場合もあります。既存システムのどのテーブルのいつのデータを取り出せばいいかは、ベンダーとしっかり相談しておく必要があります。
データ移行は自前でできるか?
ILTEX製品は、コンバート用にエクセルかcsvにて取り込みフォーマットを持っています。その取り込みフォーマットに既存データを入替えれば一斉に取り込み可能となります。従って、取り込みフォーマットのルールを勉強すればユーザーにもできないことはありません。よく「自前で出来るか?」と聞かれますが、結論は「僅かなりとても依頼したほうが得」です、と申し上げます。取り込みフォーマットルールは解説書があり、勉強すれば使用可能となりますが、その勉強する時間が大変です。何人月も掛けて開発した仕組みを勉強するのですから、簡単ではありません。しかも日常のお仕事とはかけ離れた慣れない別作業となりますので、時間も相当以上に要します。
また、ILTEX製品はだいじょうぶですが、移行データ取り込み機能というのはどこのシステムでも当たり前に完成しているものとは限りません。画面入力に対しては相当のチェックが入っており間違いや不整合データの入力ができないように仕組まれているのが普通ですが、データ取り込み機能は優先度が低く、チェック機能が不十分だったりするものです。つまり、とんでもない間違いデータをそのまま気づかずに取り込んでしまったりしては大変です。やはりベンダーに相談すべき事柄と言えます。
データ移行費用を少しでも抑える方法
ILTEX製品の場合は、データ移行支援費用を少しでも削減されたいユーザー様のために、データ移行支援作業に段階を設け概ね3段階の予算レベルを提示しています。つまり、ユーザー主導型、協力型、完全お任せ型、です。ユーザー主導型は、ユーザーが主体となって移行作業を進める方式で、ILTEXの支援は検査やアドバイスに留める、というタイプです。直接的なデータ移行費用の見積り額についてはこれが一番安上がりな方法となります。その代わり、項目マッピングのリスクや、不足パラメータの補完などのすべてのデータ整備を行う日程とご担当者を準備するリスクを負わなければなりません。本番稼動の日程はこのデータ移行に左右されがちです。
データ移行支援は安全運用を約束します
例えば『シサンM7』の場合、償却資産税全資産申告をするのかしないのかによって移行する必須項目が違ってきます。旧資産番号の受入、償却費仕訳の自動出力など、を行うかどうかによって移行すべき内容が違ってきます。データ移行を有償支援することは、これらの運用について確実にレビューされることになり、運用要件が保障される結果となりますので、必須の費用と考えて頂いて結構です。
データ移行費用について
実際にはデータの件数や移行の複雑さ、または例外移行の多い少ないなど実際の条件により見積によりますが、パソコン動作タイプの場合の概ねの目安は以下のとおりです。(ネットワーク利用の場合は30%程度増加となります)
件数 ユーザー主導型 協力型 お任せ型
1,000程度 70,000 150,000 350,000
10,000程度 200,000 400,000 600,000
50,000程度 300,000 700,000 1,400,000
データ移行調査項目一覧
以下のチェックリストを参考にして準備してください。
『シサンM7』データ移行調査項目一覧

『リースM4BS』データ移行調査項目一覧

移行のタイミングは大切
データ移行のタイミングは大切です。
例えば、これは両方とも悪い例です。
@システムを先に導入してから後でゆっくりデータ移行する。
A半年前から準備して導入に合わせる
@は合間を見ながら片手間にボチボチできるほどデータの世界はシンプルではありません。集中して力をかけないと出来上がりません。まして慣れない作業です。そして非常に細かい注意を要する作業だからです。時間を掛けながらゆっくり、ということは旧システムにある本番データは本番データで並行して運用しながらという過重工数になってしまうのです。
Aは、やっと出来た時には本番データが何ヶ月も先に進んでいることになります。
このことからわかる通りデータ移行には時間がかけられないのです。絶妙なタイミングをみて、旧運用データを取り出して一気に新システムに移行し、新旧比較検証作業を経て旧システムは捨てる、までの一連の動作に数ヶ月を要することはできないのです。
ILTEXのデータ移行支援の場合、お任せタイプであれば、目安は1ヶ月以内です。もちろんどんなにお任せタイプであっても、お客様の実データをILTEXが修正してしまうことはできませんので、ユーザーが行う整備作業工数は必ず必要になります。事前に相談してその体制を準備しておく必要があります。

前期末簿価を移行して期首導入がシンプル
前期末で絞めたデータを元にコンバートする方法が一番シンプルです。少工数で移行できる方法といえます。この場合前期以前に除却している資産の残骸データは履歴として取り込むか取り込まないかなどの判断が必要です。『シサンM7』の場合は、前期決算前に償却資産税申告している場合は、申告後前期末までに除却した資産は来年の減少申告のために移行することを忘れないようにする必要があります。

期中の導入は以下のことが条件となります。
【期末調整方法は標準的】
今期内で導入する場合、期末の決算処理や申告を新システムで行う方法があります。
新システムの通期償却費 - 旧システムの確定償却費 = 最後の決算仕訳、として計上する方法がシンプルです。
ただし移行後の新システムにおいては今期内の過去の確定月度残高は会計処理と同じ結果は出力できません。
【期中確定額受入は増額】
例えば中間の確定残高を移行後の新システムでも同じ残高を出力できるようにするには、上期償却額を実施額として受け入れる必要があります。『シサンM7』の場合、これは自動的には取り込めません。若干の支援費用の増加となります。
【期中移動実績受入は増額】
今期内の移動による移動前移動後の所属の負担償却費を移動の実績に応じて新システムでも集計できるようにするには当該移動資産の履歴をコンバートする必要があり、これも支援費用の増加となります。
   エントリー体制は大丈夫?
データ量とエントリー体制
ILTEX製品の『シサンM7』『リースM4BS』の場合は、担当者一人あたりの受持ちデータ件数について目標をもっています。できるだけ少ない人数で多くのデータをメンテナンスできる省力操作の仕組みをご提供しようとしています。
ネットワークシステムや拠点分散入力などで、複数のメンテナンス要員が想定されているのであれば、後はそれぞれの運用ルールとコンセンサスだけですが、件数の割には要員が確保されていないようなケースは、様々な工夫とアイディアによって乗り越えることを考えます。
一人で何件受け持てる?
資産管理システムのデータエントリーおよびデータメンテナンスとは、大きく分ければ
@新規取得入力
A移動・変更入力
B除売却、解約入力
C組織マスタなどの変更
です。
業態によって新規が多い少ない、移動が多い少ないなどの違いがあり、それによって必要とする工数や受持ち可能となる件数が大きく前後しますが、ILTEX製品での過去の経験から言えば、一人あたり5、000件程度が妥当な限界線だと言えるでしょう。もちろん専任ではありません。課長、係長クラスのお役柄兼務という条件です。『シサンM7』『リースM4BS』は実は、適切な担当者がなかなか決まらずに、課長、係長クラスが直接メンテナンスに携わっておられる会社が案外多いのが特徴です。立派に業務遂行しておられます。ご苦労様です。
移動・変更メンテナンスが少なければ、新規取得と解約・除売却廃棄だけなら、2万件程度までは一人の守備範囲として問題がないと言えるでしょう。
兼務担当者お一人で、4万件のメンテナンスも可能
『シサンM7』『リースM4BS』がエクセルの出し入れを特徴としているのも、このあたりのことが目標となっているからです。新規取得エクセル取込み、一括移動操作機能、一括除却エクセル取りこみ、一括増加率エクセル取りこみ、減損損失一括取りこみ、償却変更一括取りこみ、などは業界でも常に先端をいくコンセプトとなっています。標準のエクセル取込み機能に加えて、独自の組織運用要件をカスタマイズし、取得申請、移動申請、解約廃棄・更新申請などをエクセルベースで全利用現場から収集し、本部のスタンダロンシステムにて一斉取りこみで対応する、という方法で、4万件近い資産データの、月次の会計計上から、廃棄管理までを、兼務担当者のたったお一人によって管理されているユーザーがあります。ILTEX製品の真骨頂として誇りに思います。ご苦労様です。
   他にどんな費用が必要?
導入講習会は必要?
必須ではありません。特に管理担当者がお一人のような場合でデータ移行や導入コンサルティングを依頼した場合は、そのレビューの過程において相当システム操作や機能について学習して頂く事になりますので、合えて導入時に講習会を行う必要はないでしょう。 ただし、講習会は複数人数で実際にパソコンを会議室などに持ち寄って操作演習を行いますので、複数の関係者の記憶に留める効果があります。お一人しか知らないとなると、いざと言う時に困ります。1日の講習会ではとても全部を覚えきれないものですが、”見たような気がする”だけでも効果があります。マニアルも引きやすくなりますし、問合せもしやすくなります。
1日コースの場合、だいたい始業時間に開始して、終業時間まで行います。半日コースの場合は午後だけになります。予算に応じて選択可能です。
半日コースは正味40,000円で、遠方移動費実費加算です。1日コースの場合、正味70,000円す。また参加者が10名を越えるよう名場合は、対応スタッフの増員が必要ですので倍額になります。
セットアップ費用
Ms−Accessによるスタンダロン版やサーバーデータ共有版の場合は、セットアップは自動インストーラにてユーザーセットアップが可能ですので、支援を依頼する必要はありませんが、導入操作ガイダンスを行う場合は、ガイダンスの終了後にセットアップして動作調整を一緒に行います。その場合の費用は導入講習会の費用に含みます。
オラクルクライアントサーバー版の場合は、サーバー定義がILTEX必須作業となり、1回100,000円を申し受けております(オラクルデータベースのセットアップは含みません)。またオラクルクライアントサーバー版の場合はクライアントインストールも1台あたり20、000円を申し受けております。詳しくはお問合せください。
保守契約は必要か?
ILTEX製品の使用については保守契約が必要となっております。
ソフトウェア保守基本契約書を締結し、保守注文書を発行していただき、有効となります。
保守料金はライセンス料金に料率を乗じて年額を求めますが、ライトタイプA契約と充実タイプB契約の選択が可能です。料金はB契約が50%増しの違いがあります。A契約はソフトウェアの問合せのみであり、B契約は動作環境に起因する問題も含めて応答対策が可能となります。情報システムの専門家などにすぐ支援を依頼できる環境にある場合は、弊社とはA契約で十分ですし、それが不自由な場合はB契約が有効です。保守料率は、スタンダロン版からオラクルクライアントサーバー版まで段階的に用意されています。10%から19%までの開きがあります。A契約もB契約もマイナーチェンジやバージョンアップの交換権利は同様です。料率表など詳しくはお問合せください。
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